「介護の仕事って、給料安いんでしょ?」
この質問、介護の仕事をしていると本当によく聞かれます。友人に、家族に、初めて会った人に。「大変な仕事なのに給料が安い」というイメージは、かなり広く浸透しています。
正直に言うと、そのイメージは完全に間違いとは言えません。介護業界全体を見れば、他の業界と比べて賃金水準が低い傾向があるのは事実です。厚生労働省の統計でも、全産業平均と比較して介護職の賃金は低めに出ています。
ただ、「介護職」とひとくくりにしてしまうと、見えなくなることがあります。介護の仕事にもいろいろな種類があって、働き方やサービスの種類によって、収入の事情はかなり違います。
この記事では、「重度訪問介護」というサービスの給料事情について、できるだけ正直にお話しします。「介護=低賃金」という思い込みで選択肢を狭めてしまう前に、ちょっとだけ読んでみてください。
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重度訪問介護は報酬単価が高めに設定されている
なぜ高めなのか
まず、仕組みの話をします。
介護のサービスには、国が決めた「報酬単価」があります。事業所が利用者さんにサービスを提供すると、その報酬単価に基づいてお金が支払われます。この報酬単価は、サービスの種類や内容によって異なります。
重度訪問介護の報酬単価は、介護保険サービス(高齢者向け)の訪問介護と比べると、高めに設定されています。
理由はシンプルです。
- - 利用者さんの障害が重い:重度の肢体不自由や知的障害、精神障害のある方が対象です。ケアの内容が高度で、常に注意が必要です
- - 長時間のサービスが多い:重度訪問介護は、8時間、12時間、場合によっては24時間という長時間のサービスを提供することがあります
- - 医療的ケアが含まれることが多い:たんの吸引や経管栄養など、専門的なケアが日常的に求められます
つまり、求められるスキルと責任が大きい分、報酬単価も高く設定されているということです。
それがスタッフの給料にどう影響するか
事業所に入ってくる報酬が高ければ、スタッフに還元できる原資も大きくなります。もちろん、報酬がそのままスタッフの給料になるわけではありません。事業所の運営費や社会保険料など、さまざまな費用を差し引いた上での話です。
ただ、報酬単価が低いサービスと比べれば、スタッフの給料を高く設定しやすい構造にあるのは確かです。
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夜勤手当がつく場合が多い
重度訪問介護の大きな特徴のひとつが、夜間のサービスがあるということです。
利用者さんは24時間生活しています。夜中にたんの吸引が必要になることもあれば、体位を変えるサポートが必要なこともあります。そのため、重度訪問介護の事業所では夜勤シフトが組まれていることが一般的です。
夜勤には夜勤手当がつきます。手当の金額は事業所によって異なりますが、夜勤に入ることで月々の収入が増えるのは間違いありません。
夜勤は大変じゃないのか?
正直に言います。夜勤は大変です。
生活リズムが変わりますし、深夜に緊張感を持ってケアを行うのは体力も精神力も使います。「夜勤があるから稼げる」というのは事実ですが、「夜勤は楽ではない」というのも同じくらい事実です。
ただ、夜勤が苦にならないという方もいます。日中に自分の時間を使えたり、夜の静かな時間帯が好きだったり。感じ方は人それぞれです。
大事なのは、夜勤のメリットとデメリットを両方知った上で、自分に合った働き方を選ぶことです。
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正社員・パートそれぞれの働き方と収入イメージ
ここでは、重度訪問介護の事業所で働く場合の一般的な傾向をお伝えします。具体的な金額は事業所や地域によって異なりますので、あくまで参考としてお読みください。
正社員の場合
- - 月給制が一般的です
- - 基本給+各種手当(夜勤手当、資格手当、処遇改善手当など)で構成されます
- - 社会保険(健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険)に加入できます
- - 賞与(ボーナス)がある事業所もあります
正社員の場合、月々の収入が安定しているのが大きなメリットです。夜勤の回数によって手取りが変わりますが、介護業界全体の平均と比較すると、重度訪問介護の正社員は高めの水準になる傾向があります。
パート・アルバイトの場合
- - 時給制が一般的です
- - 重度訪問介護の時給は、コンビニやファストフードのアルバイトと比べると高めに設定されていることが多いです
- - 夜勤に入れば、深夜割増(法律で25%以上の割増が義務づけられています)が加わります
- - 勤務時間や日数を調整しやすいのがメリットです
「まずは週2日から始めたい」「日中だけ働きたい」「夜勤中心でしっかり稼ぎたい」など、自分のライフスタイルに合わせた働き方を選びやすいのがパートの特徴です。
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処遇改善加算って何?
介護職の給料を語る上で欠かせないのが、「処遇改善加算」という制度です。名前が堅いですが、中身はシンプルです。
国が介護職員の給料を上げるためにつくった仕組み
介護職の賃金が低いことは、国も課題として認識しています。そこで、介護サービスの報酬に上乗せして支払うお金(加算)を設け、それを介護職員の給与改善に充てるよう事業所に義務づけたのが処遇改善加算です。
現在は、以下のような加算が統合・整理されています。
- - 介護職員等処遇改善加算(従来の処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算を一本化したもの)
実際にもらえるの?
処遇改善加算は、事業所が申請して取得しなければ、スタッフには支払われません。つまり、事業所が加算を取得しているかどうかが大事です。
加算を取得している事業所では、毎月の給与に上乗せされたり、賞与として支給されたりする形で、スタッフに還元されます。金額は加算の区分や事業所の判断によって異なりますが、月額数千円〜数万円程度の上乗せになるケースが多いです。
就職先を選ぶときには、「処遇改善加算を取得していますか?」と聞いてみることをおすすめします。
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お金だけじゃない:知っておきたい待遇のこと
給料の額面だけでなく、実質的な待遇も大事です。
資格手当
医療的ケアの資格(喀痰吸引等研修修了)や介護福祉士の資格を持っていると、資格手当がつく事業所があります。資格を取ることが、そのまま収入アップにつながる場合があるということです。
研修費用の補助
先ほどの資格の話とも関係しますが、研修や資格取得にかかる費用を事業所が負担してくれるケースがあります。自分のポケットマネーで研修を受けるのと、事業所にサポートしてもらえるのとでは、大きな違いです。
社会保険
正社員であれば社会保険に加入できるのが一般的です。パートの場合も、一定の条件を満たせば加入できます。健康保険や厚生年金に加入していることで、病気やケガ、老後の備えになります。
交通費支給
訪問介護は利用者さんのご自宅に伺う仕事ですので、移動が発生します。交通費を支給してくれるかどうかも、実質的な手取りに影響します。
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正直なところ
ここまで読んで、「重度訪問介護、意外と悪くないかも」と思った方もいるかもしれません。それは嬉しいことですが、過度な期待は持たないでほしいというのも本音です。
大金持ちにはなれません
介護の仕事で年収1,000万円を稼ぐのは、現実的ではありません。IT企業のエンジニアや金融業界の給与水準と比べれば、見劣りするのは事実です。
でも、安定して働ける仕事です
介護の仕事は、景気に左右されにくいという特徴があります。高齢化が進み、障害のある方の在宅生活を支えるニーズは増え続けています。「仕事がなくなる」という心配が比較的少ない業界です。
また、資格やスキルを積み上げていけば、年齢を重ねても働き続けることができます。体力的な工夫は必要になりますが、「60歳を過ぎても働ける仕事」というのは、長い人生を考えたときに大きな安心ではないでしょうか。
「生活できる仕事」であること
重度訪問介護の給料は、一人暮らしや家庭を持ちながら、きちんと生活していける水準です。贅沢はできなくても、地に足をつけて暮らしていける。そのことに価値を感じるかどうかは、人それぞれだと思います。
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お金以外のことも少しだけ
給料の記事ですが、最後にひとつだけ。
重度訪問介護の現場で働いていると、お金では測れないものを感じる瞬間があります。利用者さんが安心して眠っている夜、「ありがとう」と言ってもらえた朝。そういう積み重ねが、この仕事を続ける理由になっている人は多いです。
もちろん、やりがいだけでは生活できません。だからこそ、やりがいと安定した収入の両方があることが大事だと思っています。
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気になる方へ
「実際のところ、いくらもらえるの?」
この質問に対して、この記事で具体的な金額をお出しすることはできません。事業所や地域、経験、資格、勤務形態によって本当に変わるからです。
でも、ノベラクトケア(株式会社Noveract)に直接聞いていただければ、正直にお答えします。「こんなに少ないの?」と思われるかもしれないし、「思ったより悪くない」と思われるかもしれません。それは聞いてみないとわかりません。
ノベラクトケアは、埼玉県川越市に本社、さいたま市西区に事業所を置き、24時間365日の重度訪問介護サービスを提供しています。全スタッフが医療的ケアの資格を保有しており、処遇改善加算も取得しています。
「ちょっと給料のことだけ聞きたい」でも構いません。お気軽にお電話ください。
電話:048-871-6572
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