「障害福祉サービスを使いたいけど、手続きが難しそう…」
そう感じて、なかなか一歩を踏み出せない方は多いのではないでしょうか。書類の名前も聞き慣れないし、どこに行けばいいのかもわからない。そんな気持ち、よくわかります。
でも安心してください。障害福祉サービスの申請は、大きく分けると5つのステップで進みます。一つひとつの流れを知っておけば、「思っていたより難しくなかった」と感じる方がほとんどです。
この記事では、障害福祉サービス(特に重度訪問介護)を初めて申請する方に向けて、申請の流れをやさしい言葉で解説します。
はじめに:手続きは一人でやらなくても大丈夫
最初にお伝えしたいのは、手続きをすべてご自身やご家族だけで進める必要はないということです。
市役所の窓口にはサポートしてくれる担当者がいますし、途中からは「相談支援専門員」(障害のある方の暮らしを一緒に考えてくれる専門の相談員)がついてくれます。さらに、重度訪問介護の事業所でも申請のサポートを行っているところがあります。
「何もわからない状態」で相談に行って大丈夫です。それが最初の一歩になります。
ステップ1:市役所の窓口に相談に行く
どこに行けばいいの?
お住まいの市区町村の「障害福祉課」が窓口です。役所によって名前が少し違うこともありますが、総合受付で「障害福祉サービスの申請について相談したい」と伝えれば案内してもらえます。
電話での相談も可能です。「まず話だけ聞きたい」という段階でも受け付けてくれますので、気軽に連絡してみてください。
持っていくと便利なもの
初回の相談では、以下のものがあるとスムーズです。
- - 障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のいずれか)
- - 健康保険証
- - 印鑑
- - お薬手帳や診断書(あれば)
手帳をまだ持っていない場合でも、相談はできます。窓口で「手帳の申請も一緒に進めたい」と伝えれば、両方の手続きを案内してもらえます。
窓口で何を伝えればいいの?
構えなくて大丈夫です。以下のようなことを、ありのままに伝えてください。
- - ご本人の障害や病気の状態(「歩くのが難しい」「一人で食事ができない」など、日常の言葉でOK)
- - 日常生活で困っていること(「夜間の体位変換ができない」「家族が仕事中、一人にするのが不安」など)
- - 今どんな生活をしているか(家族が介護している、一人で過ごしている時間がある、など)
- - どんなサービスを利用したいか(まだ決まっていなくても「どんなサービスがあるか教えてほしい」でOK)
窓口の担当者は毎日こうした相談を受けているプロですから、うまく話せなくても問題ありません。
ステップ2:認定調査を受ける
認定調査って何?
窓口で申請を行うと、次に「認定調査」が行われます。これは、ご本人にどのくらいの支援が必要かを確認するための調査です。
市区町村から派遣される認定調査員(調査を専門に行う担当者)が、ご自宅や入院先に訪問して聞き取りを行います。
どんなことを聞かれるの?
調査員は、ご本人の日常生活の様子について細かく質問します。主な項目は以下のとおりです。
- - 移動 — 一人で歩けるか、車いすを使っているか、移動に介助が必要か
- - 食事 — 一人で食べられるか、食事の準備はできるか、飲み込みに問題はないか
- - 入浴・着替え — 一人でできるか、どこに介助が必要か
- - 排泄 — トイレに一人で行けるか、おむつを使っているか
- - コミュニケーション — 意思を伝えられるか、会話ができるか
- - 行動面 — 危険な行動はないか、見守りが必要な場面はあるか
- - 医療的なこと — 吸引や経管栄養(チューブを使った栄養補給)が必要か
調査の所要時間は1時間〜1時間半ほどが一般的です。ご家族も同席できますので、ご本人が伝えきれない部分を補ってあげてください。
医師の意見書も必要
認定調査とあわせて、主治医の意見書も必要になります。これは市区町村から主治医に直接依頼されることが多いので、ご家族が動く必要はほとんどありません。ただし、かかりつけ医がいない場合は窓口に相談してください。
ステップ3:障害支援区分が決まる
障害支援区分って何?
認定調査と医師の意見書をもとに、「障害支援区分」が決まります。
障害支援区分とは、支援がどのくらい必要かを表す等級のことです。区分1から区分6まであり、数字が大きいほど、より多くの支援が必要という意味になります。
- - 区分1〜3 — 比較的軽度の支援が必要
- - 区分4〜6 — 重度の支援が必要(重度訪問介護は区分4以上で利用できます)
どうやって決まるの?
区分は次の流れで決定されます。
- - 一次判定 — 調査の結果をコンピューターで自動判定します
- - 二次判定 — 専門家で構成された「審査会」が一次判定の結果と医師の意見書をもとに最終判定します
申請から区分の決定までは、おおむね1〜2か月かかります。少し時間がかかりますが、この間に事業所の情報を集めておくと、後の流れがスムーズになります。
区分の結果に納得できないときは
もし決定された区分に納得がいかない場合は、不服申し立て(区分の見直しを求めること)をすることもできます。窓口で手続きの方法を確認してください。
ステップ4:サービスの計画を立てる
相談支援専門員がサポートしてくれます
区分が決まったら、次はどんなサービスをどのくらい利用するかの計画を立てます。この計画を「サービス等利用計画」と呼びます。
計画づくりは、「相談支援専門員」と一緒に行います。相談支援専門員は、障害のある方の生活全体を見ながら、必要なサービスを一緒に考えてくれるプロです。市区町村の窓口で紹介してもらえます。
計画にはどんなことを書くの?
計画には、たとえば以下のようなことが書かれます。
- - 生活の中で困っていることと、その解決のために必要な支援
- - 利用するサービスの種類(重度訪問介護、居宅介護、通所サービスなど)
- - 利用する時間帯や頻度(日中のみ、夜間も含めて24時間、週何日かなど)
- - 目標(「安心して自宅で暮らし続ける」「家族の介護負担を減らす」など)
ご本人やご家族の希望をしっかり伝えることが大切です。「こうしたい」「こうなったらうれしい」ということを遠慮なく伝えてください。
受給者証が届きます
計画が完成し、市区町村に提出すると、「受給者証」(サービスを利用できることを証明する書類)が届きます。この受給者証に、利用できるサービスの種類と量が記載されています。
ステップ5:サービス利用開始
事業所を選ぶ
受給者証が届いたら、実際にサービスを提供してくれる事業所を選びます。事業所選びでは、以下の点を確認しましょう。
- - 24時間365日の対応ができるか
- - 医療的ケア(たんの吸引や経管栄養など)に対応できるスタッフがいるか
- - スタッフの人柄や雰囲気が合うか
- - ご自宅からの距離や対応エリアに入っているか
見学や面談を受け付けている事業所が多いので、実際に話を聞いてから決めることをおすすめします。
契約してサービス開始
事業所が決まったら、利用契約を結びます。契約時にはサービス内容や料金の説明がありますので、不明な点は遠慮なく質問してください。
契約後、ケアプラン(具体的な介護の予定表)に基づいてサービスが始まります。最初はお互いに慣れるための期間として、ご本人の生活リズムや好みを丁寧に確認しながら進めていきます。
認定調査で気をつけたい3つのポイント
申請のプロセスの中で、特に結果を左右するのがステップ2の認定調査です。ここでの伝え方によって、区分の判定が変わることがあります。以下の3つのポイントを覚えておいてください。
ポイント1:「いい格好」をしない
調査の日、緊張して「できるだけしっかりした姿を見せよう」と頑張ってしまう方がいます。しかし、調査で大切なのは「普段の状態」を正確に伝えることです。
無理をして「一人でできます」と答えてしまうと、本当は必要な支援が受けられなくなることがあります。調子が悪い日の状態や、時間帯による違いもありのままに伝えてください。
ポイント2:困りごとをメモにまとめておく
調査当日は緊張して、伝えたいことを忘れてしまうことがあります。事前に日常生活で困っていることをメモに書いておくと安心です。
たとえば、こんなことを書いておくとよいでしょう。
- - 「夜中に3回は体位変換が必要で、家族が起きている」
- - 「食事のとき、むせることが多く目が離せない」
- - 「一人でトイレに行けず、毎回介助が必要」
- - 「外出するときは車いすの介助と吸引器の準備がいる」
メモは調査員に渡してもかまいません。
ポイント3:ご家族も同席して補足する
ご本人だけでは伝えきれない情報を、ご家族が補足することはとても大切です。特に以下の点はご家族から伝えると、調査員に正確に状況が伝わります。
- - ご家族が行っている介護の内容と頻度
- - ご家族の負担の大きさ(睡眠時間が取れない、仕事に支障が出ているなど)
- - ご本人の「良い日」と「悪い日」の差
「これを言ったら大げさだと思われるかも」と心配しなくて大丈夫です。ありのままの生活を伝えることが、適切な支援につながります。
申請手続きは事業所もサポートしてくれます
ここまで5つのステップをご紹介しましたが、「やっぱり自分たちだけでは不安…」という方もいらっしゃると思います。
実は、重度訪問介護の事業所でも申請手続きのサポートを行っているところがあります。
- - 「どの窓口に行けばいいの?」という段階からの相談
- - 認定調査に向けた準備のアドバイス
- - 必要な書類の確認
- - 相談支援専門員の紹介
「まだ利用するかどうか決めていない」という段階でも、気軽に相談して大丈夫です。
まずは一本の電話から
障害福祉サービスの申請は、最初の一歩さえ踏み出せば、あとは一つずつ進んでいくだけです。一人で悩まず、まずは相談してみてください。
ノベラクトケア(株式会社Noveract)は、埼玉県川越市に本社、さいたま市西区に事業所を構え、24時間365日体制で重度訪問介護を提供しています。全スタッフが医療的ケアの資格を保有しており、たんの吸引や経管栄養にも対応可能です。
申請手続きに関するご相談も承っています。「何から始めたらいいかわからない」という方も、お気軽にお電話ください。
電話番号:048-871-6572
お問い合わせフォームからのご相談も受け付けています。
