ある日突然、交通事故やスポーツ中のけが、あるいは病気によって、ご家族が脊髄損傷(せきずいそんしょう)を負ってしまうことがあります。入院中は病院のスタッフがケアをしてくれますが、退院が近づいてくると、「家に帰ってきたら、どうやって介護すればいいのだろう」という不安が大きくなってくるものです。

先に、要点をまとめます。

  • 在宅で必要になるケアは、排泄・体位変換・移乗・入浴・外出支援の5つが中心です。損傷の位置(頸髄か腰髄か)によって、必要なケアの内容は変わります
  • 使える制度は重度訪問介護・身体障害者手帳・自立支援医療・補装具費の支給の4つが柱です。障害支援区分4以上などの条件を満たせば、長時間の在宅支援が使えます
  • 介護保険を使えるかは年齢と原因で決まります。39歳以下と、40〜64歳で交通事故などのけがが原因の方は対象外です。40〜64歳でも後縦靱帯骨化症・脊柱管狭窄症・骨折を伴う骨粗鬆症が原因なら、特定疾病として対象になりえます。65歳以上は原因を問わず対象です
  • 住宅改修や日常生活用具にも助成制度があり、退院前の「家屋調査」で専門職に相談することで、必要な改修を具体的に把握できます

介護保険の使い分けと福祉用具の申請先は、記事の後半で表と図にまとめています。制度の内容は、厚生労働省の資料などで2026年10月2日に確認したものです。

脊髄損傷の方の在宅生活を支える4つの制度(重度訪問介護・身体障害者手帳・自立支援医療・補装具費の支給)を、中央の「ご本人に合ったケアと生活の計画」を核にハブ&スポーク形式で整理した図。
脊髄損傷の方の在宅生活を支える4つの制度(重度訪問介護・身体障害者手帳・自立支援医療・補装具費の支給)を、中央の「ご本人に合ったケアと生活の計画」を核にハブ&スポーク形式で整理した図。

脊髄損傷とは何が起きている状態?

背骨の中を通る神経の束「脊髄」が傷つき、傷ついた場所より下の部分に動きや感覚の障害が出ている状態です。

脊髄は、脳からの指令を体の各部分に伝え、また体からの感覚を脳に伝えるという、体と脳をつなぐ通り道の役割を果たしています。この脊髄が事故や病気によって傷つくと、傷ついた場所より下の部分に、動きや感覚の障害が出ます。これが脊髄損傷です。

損傷の位置によって影響が異なる

脊髄損傷で大切なのは、「どの高さで傷ついたか」によって、体への影響が大きく変わるということです。

  • 首の高さ(頸髄)で損傷した場合:両手・両足に麻痺が出ることがあります。これを「四肢麻痺(ししまひ)」と呼びます。損傷の程度によっては、呼吸にも影響が出ることがあります
  • 背中や腰の高さで損傷した場合:主に両足に麻痺が出ます。これを「対麻痺(ついまひ)」と呼びます。上半身の動きは保たれることが多いです
  • 損傷の程度にも差があり、まったく動かない「完全麻痺」と、一部の感覚や動きが残る「不完全麻痺」があります

同じ「脊髄損傷」でも、一人ひとり状態が違います。だからこそ、その方に合ったケアや支援の計画を立てることが大切になります。

在宅生活ではどんなケアが必要になる?

排泄・体位変換・移乗・入浴・外出支援の5つが、多くの方に共通して必要になるケアです。

脊髄損傷の方が自宅で暮らすにあたって、どのようなケアが必要になるかは、損傷の位置や程度によって異なります。ここでは、多くの方に共通する主なケア内容を紹介します。

排泄のケア

脊髄損傷では、膀胱(ぼうこう)や腸の機能にも影響が出ることが多いです。

  • 排尿:自力で排尿が難しくなる場合があり、カテーテル(細い管)を使って尿を出す「導尿(どうにょう)」が必要になることがあります。ご本人が自分で行う「自己導尿」ができる方もいますし、介助が必要な方もいます
  • 排便:腸の動きが弱くなるため、決まった時間に排便をうながすケア(排便コントロール)が必要になることがあります

排泄のケアは、最初は気が重いと感じるご家族もいらっしゃいますが、正しい方法を覚えればルーティン化できます。手技は退院前の病棟や訪問看護師から教わることができます。

体位変換(たいいへんかん)

脊髄損傷で感覚が鈍くなっている部分は、同じ姿勢で長時間いても痛みを感じにくくなります。そのため、知らないうちに皮膚が圧迫され、褥瘡(じょくそう)、いわゆる「床ずれ」ができてしまうことがあります。これを防ぐために、定期的に体の向きや姿勢を変える「体位変換」が必要です。2〜3時間ごとに行うのが一般的です。

移乗(いじょう)の介助

ベッドから車いすへ、車いすからトイレへ、といった乗り移りの動作を「移乗」と呼びます。下半身に麻痺がある場合、この移乗に介助が必要になることが多いです。ご本人の残っている力を使いながら移る方法があり、リハビリスタッフや介護スタッフから教えてもらえます。

入浴の介助

体の麻痺があると、一人で安全に入浴することが難しくなります。浴室の環境を整えたうえで、介助を受けながら入浴します。シャワーチェア(入浴用のいす)やリフトなどの福祉用具は、浴槽への出入りや洗う間の姿勢を支え、介助する人が体を抱え上げる場面を減らすために使います。

外出の支援

車いすでの外出には、移動のサポートが必要です。通院、買い物、役所での手続きなど、外出先での介助も含めて支援を受けられます。外出を継続することは、社会とのつながりを保ち、ご本人の気持ちの面でもとても大切なことです。

使える制度にはどんなものがある?

重度訪問介護・身体障害者手帳・自立支援医療・補装具費の支給の4つが、在宅生活を支える主な柱です。

脊髄損傷の方やそのご家族が使える制度は、いくつかあります。「こんな制度があるなんて知らなかった」ということがないよう、主なものを紹介します。

重度訪問介護とは何ができるサービス?

障害者総合支援法に基づき、重い障害のある方が自宅で暮らすための長時間の生活支援を受けられるサービスです。

  • 身体介護(排泄、入浴、食事、体位変換、移乗など)
  • 家事援助(調理、洗濯、掃除、買い物)
  • 見守りと付き添い
  • 外出支援
  • 医療的ケア(資格を持ったスタッフによるたんの吸引など)

一般的な訪問介護と違い、1日に長時間の利用が可能です。朝から夕方まで、あるいは夜間を含めた長時間の支援を受けることができます。対象は、障害支援区分4以上で、二肢以上に麻痺等があり、認定調査の「歩行」「移乗」「排尿」「排便」がいずれも「支援が不要」以外と認定された方などです(出典: 厚生労働省「障害福祉サービスの内容」)。お住まいの市区町村の障害福祉課に申請します。

ご家族が仕事などで日中不在になる時間帯の支援については、脊髄損傷で「昼間を一人にできない」ご家族へ|埼玉で日中の在宅支援を受けるにはで詳しく解説しています。

障害者手帳で何が変わる?

身体障害者手帳があると、福祉用具の給付、税金の減免、公共交通機関の割引など、複数の支援をまとめて受けられるようになります。

脊髄損傷による麻痺がある場合、身体障害者手帳の交付を受けられます。障害者手帳があると、次のような支援を受けられるようになります。

  • 福祉用具(車いす、装具など)の給付や貸与
  • 税金の減免
  • 公共交通機関の割引
  • 医療費の助成(自治体による)
  • 自動車の改造費助成(自治体による)

手帳の等級は、障害の程度によって1級から6級まであります。申請は、お住まいの市区町村の障害福祉窓口で行います。主治医に「身体障害者診断書・意見書」を書いてもらう必要があります。

自立支援医療で医療費はどう変わる?

通常3割の医療費の自己負担が、原則1割に軽減されます。

脊髄損傷の治療やリハビリに関わる医療費の自己負担を軽減する制度です。リハビリテーション科への通院や、合併症の治療など、継続的に医療を受ける必要がある方にとって、経済的な負担を和らげてくれる大切な制度です。申請は市区町村の窓口で行います。

補装具費の支給で何が対象になる?

車いすや装具(体を支えるための器具)などの補装具の購入やレンタルにかかる費用の支給を受けられます。

脊髄損傷の方の場合、車いすは生活の必需品です。車いすは一日の多くの時間を過ごす場所になるため、座面の幅や背もたれ、クッションを体に合わせて選びます。補装具費の支給制度を使えば、身体の状態に合わせた車いすを自己負担を抑えて用意できます。

脊髄損傷で介護保険は使える?

年齢と損傷の原因で決まります。39歳以下と、40〜64歳でけがが原因の方は対象外です。40〜64歳でも特定疾病が原因なら対象になりえて、65歳以上は原因を問わず対象です。

介護保険は、65歳以上の方(第1号被保険者)と、40〜64歳で医療保険に加入している方(第2号被保険者)が対象です。40〜64歳の方が介護保険を使えるのは、介護が必要になった原因が、介護保険法施行令で定める16の「特定疾病」の場合に限られます(出典: 厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」)。

交通事故や転落、スポーツ中のけがによる脊髄損傷は、特定疾病に含まれていません。一方で、特定疾病には後縦靱帯骨化症・脊柱管狭窄症・骨折を伴う骨粗鬆症が入っています。これらの病気によって脊髄が傷ついた場合は、40〜64歳でも要介護認定を申請できます。認定されるかどうかは、主治医意見書などをもとに介護認定審査会が判断します。

本人の年齢と原因介護保険在宅介護の中心になる制度
39歳以下(原因を問わない)対象外障害福祉サービス(重度訪問介護など)
40〜64歳・けがが原因対象外障害福祉サービス
40〜64歳・後縦靱帯骨化症などの特定疾病が原因対象になりうる(第2号被保険者)介護保険が先、足りない分を障害福祉サービスで上乗せ
65歳以上(原因を問わない)対象(第1号被保険者)介護保険が先、足りない分を障害福祉サービスで上乗せ
脊髄損傷で介護保険を使えるかを年齢と原因で整理した図。39歳以下と、40〜64歳でけがが原因の場合は介護保険の対象外で障害福祉サービスが中心。40〜64歳で後縦靱帯骨化症・脊柱管狭窄症・骨折を伴う骨粗鬆症が原因の場合は特定疾病として介護保険の対象になりうる。65歳以上は介護保険が原則先で、足りない長時間の介護は重度訪問介護で上乗せする。頸髄損傷の訪問看護は医療保険で受けることも添えている。
脊髄損傷で介護保険を使えるかを年齢と原因で整理した図。39歳以下と、40〜64歳でけがが原因の場合は介護保険の対象外で障害福祉サービスが中心。40〜64歳で後縦靱帯骨化症・脊柱管狭窄症・骨折を伴う骨粗鬆症が原因の場合は特定疾病として介護保険の対象になりうる。65歳以上は介護保険が原則先で、足りない長時間の介護は重度訪問介護で上乗せする。頸髄損傷の訪問看護は医療保険で受けることも添えている。

介護保険の対象になったら、重度訪問介護は使えなくなる?

使えなくなるとは限りません。介護保険が原則として先ですが、介護保険の上限で必要な介護の量を確保できない場合は、市町村が認めれば重度訪問介護を上乗せできます。

厚生労働省の通知は、一律に介護保険を優先させるのではなく、市町村が本人の状況を聞き取って、必要な支援を介護保険で受けられるかを判断するよう求めています。介護保険の区分支給限度基準額の範囲では必要な支給量を確保できない場合などは、その限りで障害福祉サービスを支給できるとしています(出典: 厚生労働省「障害者総合支援法に基づく自立支援給付と介護保険制度との適用関係等について」)。

四肢麻痺で体位変換や見守りが一日を通して必要な方は、介護保険の訪問介護だけでは時間が足りなくなりやすく、この上乗せの考え方が関わってきます。65歳を迎えるときの扱いは65歳になったら重度訪問介護は使えなくなる?介護保険への移行と継続のしくみで詳しく整理しています。

頸髄損傷の訪問看護は介護保険と医療保険のどちら?

医療保険です。頸髄損傷は訪問看護の「厚生労働大臣が定める疾病等」に含まれるため、要介護認定を受けていても訪問看護は医療保険で受けます。

この対象の方は、医療保険で週4日以上の訪問看護を利用できます(出典: 全国訪問看護事業協会「『厚生労働大臣が定める疾病等』について」)。導尿や排便コントロール、褥瘡の処置など看護師が行うケアと、重度訪問介護のヘルパーが行う生活の介護との分担は、重度訪問介護と訪問看護・訪問診療はどう違う?在宅医療との連携ガイドで説明しています。

福祉用具は何が必要?どの制度で用意する?

車いすは補装具費、介護用ベッドや床ずれ防止マット、移動用リフトは日常生活用具の給付で用意するのが基本です。介護保険の対象になる方は、介護保険の福祉用具貸与が先になります。

脊髄損傷の在宅生活でよく使う福祉用具と、介護保険の対象外の方が使う障害福祉の制度を整理します。障害福祉の制度の区分は、国立障害者リハビリテーションセンター別府重度障害者センターの「在宅生活ハンドブック」をもとにしています。

用具主な用途介護保険の対象外の方が使う制度
車いす・電動車いす移動補装具費の支給
特殊寝台(介護用ベッド)起き上がり・体位変換・介助の姿勢日常生活用具の給付
特殊マット床ずれ(褥瘡)の防止日常生活用具の給付
体位変換器体の向きを変える介助日常生活用具の給付
移動用リフトベッドと車いすの間などの移乗日常生活用具の給付
入浴補助用具浴槽への出入り・洗う間の姿勢の保持日常生活用具の給付

補装具費は、購入や修理にかかった基準額の9割が支給され、利用者負担は原則1割です。世帯の所得に応じた負担の上限があります。ただし、本人または世帯員のうち市町村民税所得割の最多納税者の納税額が46万円以上の場合は、支給の対象になりません(出典: 別府重度障害者センター「在宅生活ハンドブック No.1 補装具・日常生活用具等の申請手続」)。

日常生活用具の対象者や基準額、耐用年数は市町村ごとに異なります。たとえば同ハンドブックが例示する別府市の基準では、特殊寝台や移動用リフトは下肢または体幹機能障害2級以上の方などが対象です。お住まいの市町村の障害福祉の窓口で、対象になる用具と等級を確認してください。

介護保険の対象になる方は、車いす・特殊寝台・床ずれ防止用具・体位変換器・移動用リフトなどを介護保険の福祉用具貸与で借りるのが先です(出典: 厚生労働省「介護保険における福祉用具の選定の判断基準」改訂案)。ただし、介護保険の車いすは標準的な既製品から選ぶため、医師や身体障害者更生相談所が身体の状況に合わせた個別の対応が必要と判断した場合は、補装具費として支給して差し支えないとされています(出典: 厚生労働省「障害者総合支援法に基づく自立支援給付と介護保険制度との適用関係等について」)。

退院前に、理学療法士や作業療法士に「どの用具が、いつまでに必要か」を挙げてもらい、その一覧を持って窓口に相談すると、申請の漏れを防げます。制度ごとの申請の流れは介護用品・福祉用具って何がもらえるの?費用を抑える助成制度まとめでも紹介しています。

住環境はどう整えればいい?

段差の解消・廊下や出入口の幅の確保・手すりの設置・浴室とトイレの改修が、バリアフリー化の主なポイントです。

自宅で安全に暮らすためには、住環境の整備が重要です。特に車いすを使う場合、もとの住まいのままでは不便なことが多くあります。

バリアフリー化のポイント

  • 段差の解消:玄関、廊下と部屋の境目、浴室の入口など、段差はできるだけなくします。スロープの設置や、段差をなくすリフォームを検討します
  • 廊下や出入口の幅:車いすが通れる幅(一般的に80cm以上)が必要です。ドアを引き戸に変えることで、スペースを有効に使えるようになります
  • 手すりの設置:トイレ、浴室、廊下など、移動や立ち座りの場面で使う手すりは、安全を守るうえで欠かせません
  • 浴室の改修:車いすから移乗しやすいよう、浴室の段差をなくしたり、シャワーチェアを置けるスペースを確保したりします
  • トイレの改修:車いすで入れる広さの確保、手すりの設置、便座の高さの調整など

住宅改修費の助成制度

こうした住宅改修には費用がかかりますが、以下のような助成制度を利用できます。

  • 介護保険の住宅改修費:要介護認定を受けている方は、最大20万円(自己負担1〜3割)の住宅改修費が支給されます。39歳以下の方や、40〜64歳でけがが原因の方は介護保険の対象外のため、次の障害福祉の制度が主な選択肢になります
  • 障害者向けの住宅改修費助成:日常生活用具の「居宅生活動作補助用具」として、手すりや段差解消などの小規模な住宅改修費が給付される仕組みがあります。同ハンドブックが例示する別府市の基準額は20万円ですが、金額や対象となる工事内容は自治体ごとに異なります。お住まいの市区町村の障害福祉課に確認してください
  • 日常生活用具の給付:特殊寝台(介護用ベッド)、入浴補助用具、移動用リフトなどを、自治体の制度を通じて給付・貸与してもらえる場合があります

住宅改修については、リハビリの専門職(理学療法士や作業療法士)に相談すると、ご本人の体の状態に合わせた具体的なアドバイスをもらえます。退院前に、病院のスタッフと一緒に自宅を確認する「家屋調査」を行うこともあります。

大がかりな改修だけでなく、ベッドの配置や動線の工夫など、今日からできる部屋づくりのポイントははじめての在宅介護|自宅をケアしやすくする環境づくりのポイントでも詳しく紹介しています。

リハビリはどう続けていけばいい?

外来・訪問・デイケアの3つの方法があり、重度訪問介護など生活支援と組み合わせて継続するのが一般的です。

脊髄損傷の方にとって、リハビリテーションは長期にわたって続けていくものです。退院後も、外来や訪問でリハビリを継続することが大切です。

リハビリで取り組むこと

  • 残っている機能の維持と強化:動かせる部分の筋力や関節の柔軟性を保つための運動
  • 日常生活動作の練習:車いすの操作、移乗、着替え、食事などを、できるだけ自分で行うための練習
  • 褥瘡の予防:体圧を分散する姿勢の取り方や、自分で体重を移動させる方法の習得
  • 排泄管理の習得:自己導尿などの手技の練習

リハビリを受ける方法

  • 外来リハビリ:リハビリテーション科のある病院やクリニックに通う方法です。専門のスタッフのもとで、充実した設備を使ってリハビリを行えます
  • 訪問リハビリ:理学療法士や作業療法士がご自宅を訪問してリハビリを行います。実際の生活環境の中で練習できるため、日常生活に直結したリハビリが可能です
  • デイケア(通所リハビリ):リハビリ施設に通い、他の利用者と一緒にリハビリを受けることもできます

リハビリと重度訪問介護やその他の福祉サービスを組み合わせて利用することで、ご本人の生活の幅を広げていくことができます。

ご家族自身のことも大切に

脊髄損傷の家族を介護するということは、ご家族にとっても大きな生活の変化です。突然の出来事に戸惑い、先が見えない不安を抱えるのは、ごく自然なことです。「自分がしっかりしなければ」と気を張りすぎてしまう方も少なくありません。

ご家族が体を壊すと、ご本人の在宅生活も続けられなくなります。重度訪問介護などの制度で介護をスタッフと分担すること、自分の時間を確保すること、困ったときに相談できる先を持っておくことは、在宅生活を何年も続けるための準備です。

申請の前に、次の3点を確かめておくと窓口での話が進みます。

  • 本人の年齢と、脊髄損傷の原因(けがか、後縦靱帯骨化症などの病気か)
  • 必要なケアの時間帯と内容(夜間の体位変換、導尿、移乗など)
  • 退院前に専門職から挙げてもらった福祉用具と住宅改修の一覧

まず相談するところから

退院が近づいてきて、「在宅でやっていけるのだろうか」と不安な方。あるいは、すでに在宅介護を始めているけれど、もっと支援を増やしたいと感じている方。

まずは、今の状況やお困りのことを誰かに話してみてください。制度の全体像を一人で理解する必要はありません。相談することで、使える制度や具体的な進め方が見えてきます。今日からできる一歩として、まずはお手元の障害者手帳の有無や、現在利用中の福祉サービスを紙に書き出してみるだけでも、相談の際にスムーズに話が進みます。

ノベラクトケア(株式会社Noveract)は、埼玉県川越市に本社、さいたま市西区に事業所を置き、重度訪問介護を提供しています。全スタッフが医療的ケアの資格を保有しており、24時間365日の対応が可能です。

「脊髄損傷の家族がもうすぐ退院するのですが、在宅介護をどう進めたらいいですか?」――そんなご相談からで大丈夫です。お気軽にお電話ください。

電話番号:048-871-6572

よくある質問

Q. 脊髄損傷になったら、必ず重度訪問介護を利用できますか?

A. 利用には障害支援区分4以上の認定が必要です。認定調査を受けたうえで、お住まいの市区町村が支援区分を判定します。区分に満たない場合でも、居宅介護など他の障害福祉サービスが使える場合がありますので、まずは市区町村の障害福祉課にご相談ください。

Q. 脊髄損傷は介護保険を使えますか?

A. 年齢と原因で決まります。39歳以下の方と、40〜64歳で交通事故などのけがが原因の方は、介護保険の対象外です。40〜64歳でも、後縦靱帯骨化症・脊柱管狭窄症・骨折を伴う骨粗鬆症といった特定疾病が原因なら、要介護認定を申請できます。65歳以上の方は原因を問わず介護保険の対象です。65歳以降の取り扱いは65歳になったら重度訪問介護は使えなくなる?で詳しく解説しています。

Q. 退院前に何を準備しておけばいいですか?

A. 病院のスタッフと一緒に自宅を確認する「家屋調査」を通じて、必要な住宅改修や福祉用具を具体的に把握しておくことが大切です。あわせて、身体障害者手帳の申請、重度訪問介護の利用申請(障害支援区分の認定調査)は、退院までに時間がかかることが多いため、早めに市区町村の窓口へ相談を始めることをおすすめします。

Q. 車いすの購入費用は自己負担ですか?

A. 介護保険の対象外の方は、補装具費の支給制度を使えます。基準額の9割が支給され、利用者負担は原則1割で、世帯の所得に応じた上限があります。身体障害者手帳の交付を受けたうえで、お住まいの市区町村の障害福祉窓口に申請してください。介護保険の対象になる方は、介護保険の福祉用具貸与が先になります。

Q. ご家族だけで在宅介護を続けるのは難しいと感じています。どうすればいいですか?

A. 重度訪問介護を利用すれば、身体介護・家事援助・見守り・外出支援・医療的ケアまで、長時間にわたってスタッフに任せることができます。支給決定までには認定調査などで時間がかかるため、負担を感じ始めた段階で市区町村や相談支援専門員に相談しておくと、介護が限界になる前に支援を始めやすくなります。

参考・出典

  • 厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」
  • 厚生労働省「障害者総合支援法に基づく自立支援給付と介護保険制度との適用関係等について」
  • 厚生労働省「障害福祉サービスの内容」
  • 厚生労働省「介護保険における福祉用具の選定の判断基準 改訂案」(介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会 第1回 資料5、2024年3月13日)
  • 全国訪問看護事業協会「『厚生労働大臣が定める疾病等』について」
  • 国立障害者リハビリテーションセンター 別府重度障害者センター「在宅生活ハンドブック No.1 補装具・日常生活用具等の申請手続」(2021年)