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ノベラクトケアノベラクトケア- 重度訪問介護 -
家族のための知識

重度訪問介護と乗り切る夏|人工呼吸器・医療的ケア家庭の熱中症&停電対策

「今年も暑くなりそうだけど、エアコンをつけっぱなしにして大丈夫かな」
「もし停電になったら、人工呼吸器はどれくらい持つんだろう」

夏が近づくと、人工呼吸器や医療的ケアが必要なご家族と暮らす方の頭には、こうした不安がよぎります。高齢者や体に障害のある方は熱中症のリスクが特に高いとされており(出典: 環境省熱中症予防情報サイト)、さらに停電が重なれば、命に関わる事態にもなりかねません。

先に、要点をまとめます。

  • エアコンは我慢せず使う。夜間も含めて、暑さ指数(WBGT)が高い日は室温を下げることが最優先です
  • 人工呼吸器の外部バッテリーは常時フル充電・複数台用意。停電時にすぐ切り替えられる状態にしておきます
  • 埼玉県には医療機関経由の非常用電源整備の仕組みがあるが、年度ごとに申請期間が決まっており、個人が直接申し込む制度ではありません。主治医・訪問看護に早めに相談することが実質的な備えになります

この記事では、重度訪問介護を利用しながら在宅で暮らすご家族向けに、夏の熱中症と停電への備えを、環境省・厚生労働省・埼玉県の公式情報をもとに整理します。停電・災害全般への備えは災害・停電が起きたら、うちの家族はどうなる?|重度訪問介護を使う在宅家族の災害備えガイド、人工呼吸器と在宅生活の基本は人工呼吸器をつけても自宅で暮らせる?在宅生活を支える仕組みもあわせてご覧ください。

人工呼吸器・医療的ケア家庭が夏に並行して備える4つのポイントを示すハブ&スポーク図。中心に「熱中症・停電から家族の命を守る」を置き、1エアコンは我慢しない、2呼吸器の外部電源を確保、3埼玉県の非常用電源整備、4ヘルパーと見守りを分担の4項目を配置している。
人工呼吸器・医療的ケア家庭が夏に並行して備える4つのポイントを示すハブ&スポーク図。中心に「熱中症・停電から家族の命を守る」を置き、1エアコンは我慢しない、2呼吸器の外部電源を確保、3埼玉県の非常用電源整備、4ヘルパーと見守りを分担の4項目を配置している。

なぜ医療的ケアが必要な方は熱中症リスクが高い?

体温調節がうまくできない方、暑さやのどの渇きを自分で訴えにくい方は、熱中症のリスクが特に高いためです。

環境省は、高齢者・こども・持病のある方・体に障害のある方・肥満の方は熱中症になりやすいとして、身近な人からの見守り・声かけを呼びかけています(出典: 環境省熱中症予防情報サイト)。重度訪問介護を利用されているご家族の場合、次のような理由が重なりやすく、リスクはさらに高まります。

  • 発汗や血管の拡張による体温調節機能が低下している場合がある
  • 「暑い」「のどが渇いた」という感覚を自分で言葉にして伝えにくい
  • 寝たきりや同一姿勢の時間が長く、体にこもった熱が逃げにくい
  • 人工呼吸器・経管栄養など医療機器の管理のため、室温・湿度の変化に敏感

環境省は令和8年(2026年)4月22日から、令和8年度の熱中症特別警戒アラート・熱中症警戒アラートの運用を開始しています(出典: 環境省「令和8年度熱中症特別警戒アラート及び熱中症警戒アラートの運用を開始します」)。アラートが発表された日は、市町村長が指定する「クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)」が開放される仕組みもあります。とはいえ、医療的ケアが必要な方にとっては、外出そのものが難しいケースも多いはず。基本は「自宅の室温を、我慢せずに下げる」ことが第一の対策になります。

エアコンは「もったいない」と我慢しない

熱中症予防の基本は、エアコンを適切に使い、室温を28℃以下の目安に保つことです。夜間もつけたままで構いません。

介護の現場では、「電気代がもったいないから」「本人が寒がりだから」といった理由でエアコンの使用を控え、結果として室温が上昇し熱中症につながるケースがしばしば指摘されています。ご本人が「寒い」と言っても、エアコンを止めるのではなく、設定温度や風向き、羽織るもので調整することを優先してください。

医療的ケアが必要な方の在宅介護では、次の点を意識してください。

  • 室温・湿度を「見える化」する。温湿度計を本人のそばに置き、定期的に確認する
  • 夜間もエアコンをつけたままにする。就寝中は自分で異変に気づきにくく、夜間熱中症のリスクが高い
  • 本人の感覚に頼りすぎない。「暑くない」と言われても、室温計の数値を優先して判断する
  • こまめな水分・塩分補給。経管栄養の方は主治医・訪問看護と相談のうえ、水分量を調整する

なお、事業者に対しては、令和7年(2025年)6月1日に改正労働安全衛生規則が施行され、屋内外を問わず暑熱環境での作業について、熱中症のおそれがある労働者を早期に見つけ、迅速に対処するための体制整備・手順作成・関係者への周知が義務付けられました(出典: 厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について」)。重度訪問介護のヘルパーも対象になるため、訪問時に「今日は暑いので室温を下げましょう」といった声かけがあった場合は、遠慮なく協力していただくのがおすすめです。

停電になったら、人工呼吸器はどうなる?

人工呼吸器には内部バッテリーがあり短時間は自動的に稼働しますが、長時間の停電には外部バッテリーや非常用電源が別途必要です。

在宅で人工呼吸器を使う方にとって、停電は熱中症以上に直接的な命の危険につながります。夏は落雷や台風による停電も起こりやすい季節です。基本的な備えとして、次のような点が呼吸器メーカー・医療機関から案内されています。

  • 外部バッテリーは常に人工呼吸器に接続し、フル充電を保つ。停電時は外部バッテリーが先に消費され、その後に内部バッテリーへ切り替わる仕組みが一般的です
  • 外部バッテリーは複数台備え、寿命が来たら早めに交換する。寿命を超えたバッテリーはフル充電ができず、稼働時間が大きく短くなります
  • 手動式の蘇生バッグ(アンビューバッグ)の使い方を家族・支援者で確認しておく。停電時、電源が確保できない間の一時的な備えになります
  • 車のシガーソケットから給電できるインバーターや、家庭用蓄電池・発電機の準備も検討する

停電が数十分で終わるとは限りません。夏場は熱中症対策でエアコンも同時に使いたい場面が多く、電源の確保はより切実な課題になります。夜間の医療的ケア(吸引など)と電源管理を同時にどう乗り切るかは、夜間の吸引・人工呼吸器が不安な方へ|埼玉で夜も医療的ケアに対応できる在宅支援でも触れています。

埼玉県の「非常用電源整備」はどんな仕組み?

埼玉県には、訪問診療医療機関が申請主体となって、患者に貸し出す非常用電源(発電機・予備バッテリー等)の購入費を補助する仕組みがありますが、申請できるのはご家族本人ではなく医療機関です。

埼玉県は「在宅人工呼吸器使用者非常用電源整備事業」として、訪問診療が必要な人工呼吸器使用患者を診療している医療機関に対し、患者への貸し出し用の簡易自家発電装置(ガソリンやガス等で稼働する発電機、人工呼吸器の予備バッテリー等)の購入経費を、2分の1以内(1台あたり10万6千円が上限)補助しています(出典: 埼玉県「在宅人工呼吸器使用者非常用電源整備事業の実施について」)。

ここで押さえておきたいのが、次の2点です。

  1. 申請の窓口は「医療機関」であり、患者・家族が直接申請する制度ではないこと。ご家族としてできるのは、訪問診療医・訪問看護ステーションに「非常用電源整備事業を利用したい」と早めに相談することです
  2. 年度ごとに申請期間が定められており、予算がなくなれば終了すること。たとえば令和8年度分は、申請期限が令和8年4月17日と早い時期に設定され、すでに受付を終了しています(出典: 同上)。「必要になってから」では間に合わない可能性が高いため、次年度分は早めの相談が肝心です

この事業以外にも、市町村独自に自家発電機や予備バッテリーの貸与・購入補助を行っている場合があります。制度の有無や内容は年度・自治体によって変わるため、最新の情報は必ずお住まいの市町村の障害福祉担当窓口や保健所、あるいは訪問診療医・訪問看護ステーションに確認してください。相談先に迷う場合は埼玉で介護の相談をしたい|無料で頼れる窓口と相談先一覧もご参照ください。

重度訪問介護のヘルパーと、夏をどう乗り切るか

重度訪問介護は夜間も含めた長時間ケアが可能な制度なので、猛暑日は「室温管理」と「体調観察」をヘルパーと分担する発想が有効です。

重度訪問介護は、常に介護が必要な重度の障害がある方が在宅で暮らし続けられるよう、最大で1日24時間まで連続したケアを受けられる制度です(出典: 独立行政法人福祉医療機構 WAM NET「重度訪問介護」)。夏場は、この仕組みを次のように活かすことができます。

  • こまめな体調観察をヘルパーに依頼する。顔色・発汗の様子・呼吸の変化など、家族だけでは気づきにくいサインも複数の目で確認できる
  • 室温・水分補給のタイミングを、支援記録に残してもらう。「いつ・どれくらい」を可視化することで、体調変化との関連が見えやすくなる
  • 夜間の見守りを依頼し、家族の睡眠時間を確保する。夜間熱中症は就寝中に進行しやすく、家族が朝まで気づかないケースもあるため、見守りの目が増えること自体が予防になる

ノベラクトケア(株式会社Noveract)は、埼玉県川越市に本社、さいたま市西区に事業所を構え、24時間365日体制で重度訪問介護を提供しています。全スタッフが医療的ケア(たんの吸引・経管栄養など)の資格を保有しており、夏場の体調変化にも医療的な視点で気づける体制を大切にしています。

ご相談・お問い合わせ

「今年の夏、うちの家族は大丈夫だろうか」——そう感じたら、それが相談のタイミングです。ノベラクトケアでは、夏場の在宅ケアに関するご相談を無料で承っています。

  • 電話: 048-871-6572(平日9:00〜18:00 / 緊急のご相談は24時間対応)
  • お問い合わせフォーム: /contact
  • 対応エリア: 川越市・さいたま市をはじめ埼玉県全域

夏の備えは、電源とエアコンだけでなく「見守る目を増やす」ことでもあります。一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。

こんな場合はどうなる?よくある質問

Q. エアコンをつけっぱなしにして電気代が心配です。控えたほうがいいですか?

控えないことをおすすめします。環境省は高齢者・体に障害のある方は熱中症になりやすいとして、夜間を含めたエアコンの適切な使用を呼びかけています(出典: 環境省熱中症予防情報サイト)。電気代よりも、熱中症による重症化のリスクのほうが大きいと考え、我慢せずに室温を下げてください。

Q. 停電したら人工呼吸器はどれくらい持ちますか?

内部バッテリーで自動的にしばらくは稼働しますが、機種によって持続時間は異なります。長時間の停電に備えて、外部バッテリーを常時フル充電で接続し、複数台用意しておくことが基本です。正確な持続時間や対応方法は、使用している呼吸器のメーカー・主治医に個別に確認してください。

Q. 埼玉県の非常用電源整備の補助金は、家族が直接申し込めますか?

いいえ。埼玉県の「在宅人工呼吸器使用者非常用電源整備事業」は、訪問診療を行う医療機関が申請主体となる仕組みで、患者・家族が直接申請する制度ではありません(出典: 埼玉県公式サイト)。利用したい場合は、訪問診療医や訪問看護ステーションに早めに相談してください。また年度ごとに申請期間が決まっているため、必要になってから探すのでは間に合わないことがあります。

Q. 夜間、家族が寝ている間の熱中症が心配です。

夜間熱中症は就寝中に進行しやすく、家族が朝まで気づかないこともあります。重度訪問介護の夜間支援を利用すれば、ヘルパーによる定期的な見守り・体調観察を依頼できます。夜間の支援については「夜が一番こわい」を支えたい|埼玉で夜間・夜通し対応の重度訪問介護をお探しの方へで詳しく解説しています。

Q. 熱中症と停電、どちらから備えればいいですか?

どちらも夏に同時に起こりうるため、切り分けずに備えることが大切です。エアコンでの室温管理は日常的な熱中症対策として、外部バッテリー・非常用電源の確保は停電時の備えとして、それぞれ並行して準備してください。総合的な災害・停電への備えは災害・停電が起きたら、うちの家族はどうなる?|重度訪問介護を使う在宅家族の災害備えガイドにまとめています。

参考・出典

  • 環境省熱中症予防情報サイト「熱中症警戒アラート」
  • 環境省「令和8年度熱中症特別警戒アラート及び熱中症警戒アラートの運用を開始します」
  • 厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について~令和7年6月1日に改正労働安全衛生規則が施行されます~」
  • 埼玉県「在宅人工呼吸器使用者非常用電源整備事業の実施について」
  • 独立行政法人福祉医療機構(WAM NET)「重度訪問介護」

※支援制度の内容・申請期間は年度によって変わります。最新かつ詳細な内容は、必ず訪問診療医・訪問看護ステーション、お住まいの市町村の障害福祉担当窓口にご確認ください。

ノベラクトケア

ノベラクトケア(株式会社Noveract)

埼玉県川越市を拠点に、24時間365日体制で重度訪問介護を提供。全スタッフが医療的ケア資格を保有し、専門性の高い在宅ケアをお届けしています。

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