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ノベラクトケアノベラクトケア- 重度訪問介護 -
やさしい制度解説

重度訪問介護を使いながら働ける?就労中・通勤の支援と「雇用施策との連携」事業をやさしく解説

「重度の障害があっても、いつかは働いてみたい」
「在宅で仕事を始めたいけれど、日中のヘルパーはどうなるの?」

ALSや筋ジストロフィー、脊髄損傷などで重度訪問介護を利用しているご本人・ご家族から、こうした「就労」についてのご相談が少しずつ増えています。テレワークが広がり、重い障害があっても自宅で働くという選択肢が現実味を帯びてきたためです。

ところが、ここで多くの方がつまずくのが「重度訪問介護は、仕事中や通勤中にも使えるの?」という疑問です。結論から言うと、重度訪問介護そのものは「就労中・通勤中の支援」は原則として対象外です。その代わりに、それを補う別の仕組みが用意されています。この記事では、制度の原則と、就労を支える「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」を、厚生労働省の公式情報をもとにやさしく整理します。

制度そのものの基本は重度訪問介護とは?対象者・費用・申請方法をわかりやすく解説もあわせてご覧ください。

なぜ重度訪問介護は「就労中」に使えないの?

重度訪問介護には、長時間の見守りや身体介護に加えて「外出支援(移動介護)」が含まれます。通院や買い物、余暇のための外出にヘルパーが付き添えるのは、この外出支援があるからです(外出支援の使いどころは「外出なんて無理」をあきらめない|重度訪問介護の外出支援で詳しく解説しています)。

ただし、この外出支援には範囲が定められています。国の基準では、「通勤、営業活動その他の経済活動に係る外出」「通年かつ長期にわたる外出」「社会通念上適当でない外出」は対象外とされています(出典: 厚生労働省告示第523号「重度訪問介護に要する費用の額の算定に関する基準」)。

つまり、毎日繰り返される「通勤」や、仕事そのものに伴う移動・支援は、重度訪問介護の外出支援ではカバーしきれない、という整理になっているのです。これは「障害のある人は働いてはいけない」という意味ではなく、福祉サービスと雇用施策の役割分担として線が引かれている、と理解するのが正確です。

この線引きがあるために、「働きたいのに、日中の支援が途切れてしまう」という課題が長く指摘されてきました。

それを補うのが「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」

この課題に対応するため、福祉と雇用の施策を連携させた事業が用意されています。それが「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」です。地域生活支援促進事業の一つとして、令和2年(2020年)10月から施行されました(出典: 厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」)。

この事業のポイントは、これまで重度訪問介護や同行援護では認められなかった通勤や職場等における支援を、市区町村が重度訪問介護等の事業者を通じて行えるようにしたことです。

支援の対象になりうるのは、おおまかに次のような働き方をする重度障害者等です。

  • - 企業に雇用されて働く方で、企業が障害者雇用納付金制度に基づく助成金を活用しても、なお支障が残る場合
  • - 自営業者などとして働く方で、市区町村が支援の必要を認めた場合

実施主体は市区町村で、費用は国が2分の1、都道府県が4分の1、市区町村が4分の1を負担する仕組みになっています(出典: 厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」)。

この事業を活用することで、たとえば在宅就労中の身体介護や、外回りを伴う営業活動への付き添いなど、これまで支援が届きにくかった場面をカバーできるようになります。

「働く」を支える3つの入り口を整理する

重度障害のある方の就労を支える仕組みは、一つではありません。混乱しやすいので、大きく3つに分けて整理してみましょう。

1. 企業向けの助成金(障害者雇用納付金制度)

まず、障害者を雇用する企業が活用できる助成金があります。重度障害者の通勤や職場での支援にかかる費用の一部を、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が助成する制度です(出典: 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構)。雇用主である企業が申請する点が特徴です。

2. 福祉と雇用をつなぐ特別事業(本記事の中心)

企業向け助成金だけでは支障が残る場合や、自営業として働く場合に、市区町村が福祉側から支援を行うのが、前章で紹介した「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」です。

3. 日常生活を支える重度訪問介護

そして、就労以外の生活全般を支えるのが、ふだん利用している重度訪問介護です。仕事をしていても、それ以外の時間帯(起床・食事・入浴・通院など)の支援は、これまでどおり重度訪問介護で受けられます。

この3つは、どれか一つを選ぶというより、働き方や状況に合わせて組み合わせて使うものだと考えると分かりやすいでしょう。

相談・申請はどこから始めればいい?

「自分(家族)の場合も使えるのか」を知るには、まず相談から始めるのが近道です。

まずは市区町村の障害福祉担当窓口へ

この特別事業の実施主体は市区町村です。実施しているかどうか、どんな条件で使えるかは自治体によって異なるため、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口に確認するのが最初の一歩になります。あわせて、サービス等利用計画を作る相談支援専門員にも、就労の希望を具体的に伝えておきましょう。

支給量(時間数)そのものに不安がある場合は、重度訪問介護の「支給時間」はどう決まる?足りないと感じたときの考え方もあわせて読んでおくと、窓口での相談がスムーズになります。

「自分が対象になるか」が不安なとき

そもそも重度訪問介護の対象になるかどうかが固まっていない段階なら、「うちの家族も使える?」重度訪問介護の対象をわかりやすくチェックで要件を確認しておくと安心です。

なお、ここでお伝えしている内容は介護をされるご本人の「就労」を支える仕組みです。介護をするご家族が仕事と介護を両立するための制度については介護で仕事を辞めないために|使える制度と両立のヒントで別途まとめています。役割が違うので、混同しないようご注意ください。

埼玉県内の相談先

埼玉県内で「どこに相談すればいいか分からない」という方は、埼玉で介護の相談をしたい|無料で頼れる窓口と相談先一覧に、無料で頼れる窓口をまとめています。

まとめ:制度を組み合わせれば「働く」はあきらめなくていい

重度訪問介護を使いながら働くことについて、要点を整理します。

  1. 重度訪問介護の外出支援は、通勤・営業など経済活動に係る外出は原則対象外(厚生労働省告示第523号)
  2. それを補うのが「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」(令和2年10月施行・実施主体は市区町村)
  3. 企業向けの助成金、福祉の特別事業、日常の重度訪問介護を組み合わせて使うのが基本
  4. 実施状況は自治体ごとに異なるため、まずは市区町村の窓口・相談支援専門員に相談する

制度は少し複雑ですが、「重度の障害があるから働けない」と最初からあきらめる必要はありません。使える仕組みを一つずつ確認していくことが大切です。

ご相談・お問い合わせ

ノベラクトケアでは、重度訪問介護の利用や、就労を見据えた支援についてのご相談を無料で承っています。

  • - 電話: 048-871-6572(平日9:00〜18:00)
  • - お問い合わせフォーム: /contact
  • - 対応エリア: 川越市・さいたま市をはじめ埼玉県全域に対応

「働いてみたいけれど支援がどうなるか不安」という段階でも構いません。お気軽にご連絡ください。

こんな場合はどうなる?よくある質問

Q. 重度訪問介護は仕事中や通勤中にも使えますか?

重度訪問介護の外出支援は、通勤・営業活動その他の経済活動に係る外出は原則として対象外とされています(厚生労働省告示第523号)。就労中・通勤中の支援については、それを補う「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」などの別の仕組みを利用することになります。

Q. 「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」とはどんな事業ですか?

福祉施策と雇用施策を連携させ、市区町村が重度訪問介護等の事業者を通じて、重度障害者等の通勤や職場等における支援を行えるようにした事業です。令和2年(2020年)10月から施行されており、実施主体は市区町村です(出典: 厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」)。

Q. この特別事業は誰でも使えますか?

企業に雇用されていて、企業が障害者雇用納付金制度に基づく助成金を活用してもなお支障が残る場合や、自営業者等として働く方で市区町村が必要と認めた場合に支援が行われます。実施状況や条件は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口にご確認ください。

Q. 企業向けの助成金と、この特別事業は何が違うのですか?

企業向けの助成金は、障害者を雇用する企業が申請して通勤・職場の支援費用の一部を受けられる制度です。一方、特別事業は、その助成金でも支障が残る場合や自営業の場合に、市区町村が福祉側から支援を行う仕組みです。役割分担が異なり、状況に応じて組み合わせて使うことが想定されています。

Q. 働き始めたら、ふだんの重度訪問介護は使えなくなりますか?

いいえ。就労中・通勤中以外の生活全般(起床・食事・入浴・通院など)の支援は、これまでどおり重度訪問介護で受けられます。就労を支える仕組みと、日常生活を支える重度訪問介護は、組み合わせて利用するものです。

Q. まず何から相談すればいいですか?

実施主体である市区町村の障害福祉担当窓口に、就労の希望と現在の状況を相談するのが最初の一歩です。あわせて、サービス等利用計画を作成する相談支援専門員にも具体的に伝えておくとよいでしょう。埼玉県内であれば無料で頼れる相談窓口もありますので、一人で抱え込まずにご相談ください。

参考・出典

  • - 厚生労働省「重度訪問介護に要する費用の額の算定に関する基準」(厚生労働省告示第523号)
  • - 厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」(雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業)
  • - 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)「重度訪問介護サービス利用者等通勤援助助成金」

※制度の対象範囲や運用、実施の有無は、市区町村によって異なり、随時更新されます。最新かつ詳細な内容は、必ずお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口・相談支援専門員にご確認ください。

ノベラクトケア

ノベラクトケア(株式会社Noveract)

埼玉県川越市を拠点に、24時間365日体制で重度訪問介護を提供。全スタッフが医療的ケア資格を保有し、専門性の高い在宅ケアをお届けしています。

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